タイトル通り、感謝を日常に取り入れることを推奨する本です。
感謝の念を持つことによって、どのような人生のメリットが生まれ、具体的にどのように感謝の習慣を実践していくかについて、述べられています。
感謝がもたらす脳科学的幸福
著者が集めた研究データによると、感謝することで、情熱をかき立てるドーパミンと気分を盛り上げるセロトニンの両方の神経伝達物質が増大するとのこと。
また、心理学的実験によって、感謝の手紙を書くことで、書かない人、ネガティブな内容の手紙を書くグループと比較して、幸せで穏やかな気持ちになることがわかったようです。
感謝の効果
「感謝の心はふだん受けている恩恵に気づくきっかけになるので、絶望感から立ち直るの役立ち、抑うつを防いでくれる」と著者は言います。
また、就寝前に感謝の習慣をつけると、熟睡を深める効果があると言います。
感謝は「与える精神」を養うとも言います。
感謝を実践する工夫が具体的に書かれている
本書では全7パート、全23章の中で、具体的にさまざまな心理的状態、対人関係、目的別によっていかに感謝の習慣をつけるか、感謝を実践するかを例示しています。
イメージトレーニング、日記、マインドフルネス、メール……。パッとページを開いて、できるところから始めればいい、そう著者は言います。
私が本文中で刺さった言葉は、「より大きな目標を達成することと強欲であることのあいだには明確な違いがある」というものです。
要するに、より大きな目標を達成することと強欲であることの違いは、感謝の心があるかどうかだ。
強欲とは、利己的で行き過ぎた願望で、どこまで達成しても感謝の念を覚えられない、より大きな目標を達成することは、有意義な目標を設定し、一生懸命努力し、目標を達成したことでそのこと全体に感謝することができる、そこが根本的に違うのだ、という風に定義しています。
私だけかもしれませんが、現代で、謙虚さや、感謝の心を常に持つことは、忘れがちになってしまいます。ある部分利己的でないと、自衛できないという社会環境ゆえかもしれません。そんな硬直した心を解き放つためにも、活力を自らに与えるためにも、感謝の二文字は、胸に刻みながら進んでいくべきものなのではないかと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。