もりじゅんの読書ブログ

読んだことない人には面白そうと、読んだことある人にはヒントの1つをと、作品を紹介できたらと思います

読書

「歯車」 芥川龍之介が遺した死なないための処方箋

こんにちは。 とある小説を読んでいて、「寒中」とは、小寒から大寒、そして立春の間の時期を指すと学んだのですが、今はまさに「寒中」ということになりますね。 寒中お見舞い申し上げます。 朝方の冷えが特に体に堪えます。 寒中が出てくるその小説とは、…

児童文学の名作『モモ』のご紹介 なぜ読み継がれるのか?

昨年前半、遅ればせながらジブリ作品をたくさん借りて観てみました。宮崎駿を始めとするアニメ映画の作り手たちが児童文学を愛していることを知り、自分も読んでみようと思いました。 本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書) 作者:宮崎 駿 岩波書店 Am…

舞城王太郎『煙か土か食い物』のネタバレなしストーリーと魅力についてご紹介!

アメリカ西海岸に住むIT企業に勤める妹が一時帰国して少し話したのですが、一番記憶に残っているのはこれは彼女の感情的な私見なのですが、 「フランス人が世界で一番性格が悪い」 ということでした。 「フランス人ってアメリカ人をめっちゃ馬鹿にしてるよね…

チャンドラー『ロング・グッドバイ』の概要と魅力のご紹介

前回の記事で大切なことを書き忘れていました。 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 挨拶や年・季節の区切り、大事ですよね。私ときたら、自分の誕生日も祝わない、クリスマス、正月も楽しまない。まったくの通常運行で日々…

太宰治『斜陽』のあらすじ、解説と面白がれるポイント紹介

太宰治全集9 ちくま文庫 太宰治のプロフィール 『斜陽』の背景 主要登場人物 あらすじ 解説、面白がれるポイント まとめ 太宰治のプロフィール 1909年(明治四十二年)、青森・津軽の大地主の家に生まれ育ちました。東京帝国大学(現東京大学)文学部に進学…

村上春樹「かえるくん、東京を救う」(『神の子どもたちはみな踊る』)

アパートの部屋に戻ると、身長2m以上ある蛙が立っていた。 「ぼくのことはかえるくんと呼んで下さい」 ここから始まる村上春樹「かえるくん、東京を救う」という短編について少しお話ししたいと思います。 このお話は1995年2月18日午前8時半頃、東京に直下…

村上春樹「UFOが釧路に降りる」(『神の子どもたちはみな踊る』)

「UFOが釧路に降りる」という短編を解説してみたいと思います。 理由は2つありまして、1つは『神の子どもたちはみな踊る』のスタートを飾る短編であること、もう1つは解説らしきものをできそうな予感がすることです。 この作品はほぼ時系列と執筆順とが同じ…

村上春樹「蜂蜜パイ」(『神の子どもたちはみな踊る』)

はじめまして。 もりじゅんと申します。 文芸解説をしてみたいと思いブログ開設しました。 偏った視点からの偏った語りになるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。 神の子どもたちはみな踊る 新潮文庫 初回に取り上げるのは村上春樹『神の子ども…